[No.036-1]明日の笑顔
No.036-1
あや『ずっと辛い想いをしてきたのに、今も辛いことばかり』
しょう『前向きに、頑張ろうよ』
あや『あなたは、何もわかっていないよ』
しょう『仕方ないだろ・・・僕は君じゃない』
あや『だれもわかってない。わかってくれない』
しょう『そう自分を追い込まないで』
あや『何も感じない・・・ただ毎日過ごしているだけ』
あや『落ちますね。今日はありがとう』
しょう『待って!』
チャットで知り合ったばかりの女性から、辛い胸の内を聞いた。
全くの他人だからこそ、話せるのかもしれない。
逆に、嘘や妄想なのかもしれない。
ネット上では、そんなことは日常だろう。
真剣に答える僕を、向こうの人間が笑っているのかもしれない。
『ずっと辛い想いをしてきたのに、今も辛いことばかり』
真実はどうであれ、僕の心に突き刺さる話だった。
前向きとか、頑張れとか、どうしてそんなこと言ってしまったんだろう。
彼女の心の傷を、ただ広げたに過ぎないのに。
(でも、もう関係ない)
別世界のあやに少し驚いただけだ。
二度と逢うこともないだろう。
ただ、なんとなく後味が悪い。
| 固定リンク | 0
「(001)小説No.001~050」カテゴリの記事
- [No.050-2]オレンジ色の明日へ(2009.06.17)
- [No.050-1]オレンジ色の明日へ(2009.06.16)
- [No.049-2]上手な恋の忘れ方(2009.06.15)
- [No.049-1]上手な恋の忘れ方(2009.06.14)
- [No.048-2]昨日のセンチメンタル(2009.06.12)
コメント