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[No.33-2]夕焼けは晴れ

No.33-2

朝から降り続く雨は、午後になってもその勢いを増すばかりだった。
夕焼けを裏切るかのような激しい雨が続く。

(美沙はどう思うだろうか)

少し、心配になる。
今まで夕焼けになると、次の日、必ず晴れていた。
それは、単なる偶然だけだと思う。
明日の天気は彼女だけではなく、僕にとっての一喜一憂でもあった。
それだけに、彼女と顔を合わせるのをためらう。

(どうしよう・・・・)

今更ながら、確立の話を持ち出そうか・・・迷う。
「美沙・・・今日も晴れだよ」
僕は初めて、美沙に嘘をついた。
「やっぱり、夕焼けは晴れだったよ」
それからも僕は、やさしく笑う美沙の写真に何度も声を掛けた。
『だって、明日、絶対晴れるんだもん!』
かつての美沙の声が聞こえたような気がした。

(これで良かったのかもしれない・・・)

彼女の中では永遠に、“夕焼けは晴れ”のままだ。

(No.33完)

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