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[No.32-2]旅に出ます

No.32-2

『これから旅立ちます』

再びメールが入った。
(いよいよか)

『分かった、気をつけて』
『ほな、風呂敷抱えて行ってきます』
(風呂敷ぃ!?また、随分と古風だな・・・)

個性的でもある彼女なら、風呂敷でも“有り”かもしれない。
『貴重品、落とすなよ』
風呂敷のイメージだけで、つい返信してしまった。

『小銭が27円ばかしやから』

(えっ!27円・・・)

『それじゃ、電車にも乗れないよ。どうするの?』
慌ててメールを返信する。
『わて、こんなんやから電車に乗られへんよ』

(もしかして・・・)

違和感が確信に変わってくる。
『そやったね。せいじゅうろうやし』
大阪弁で返してみた。
『そうですな』

(あはは、やっぱりそうか)

『なぁ、菜緒・・・もしかして、最初のメールでなんか忘れてない?』
何となく予想できる。
『わぁー、ごめん』
謝りのメールに、写メが一つ添付されていた。

それには、唐草模様の風呂敷を大事そうに抱えながら、せいじゅうろうが写っていた。

(No.32完)

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