[No.031-2]もしも、あの時
No.031-2
「気になるわね」
由紀子は何が言いたかったのだろう。
でも、その答えを意外に早く知ることになった。
「私ね、結婚するの」
ただ、由紀子の表情は冴えない。
「彼との結婚が、その“戻りたい瞬間”になるとしたら」
由紀子はあの時の胸の内を話してくれた。
「単なるマリッジブルーよ」
「そうかな」
「そうよ、自信を持って!」
でも、由紀子はまだ迷っている。
これから私が選ぶ道が正しいかなんて、私にも分からない。
それに・・・。
誤った道でもいい。
私も、彼も道を誤りながら、こうやって出逢った。
「私も彼のプロポーズを受け入れようかな」
今なら、なぜか素直になれる。
「もしも、あの時・・・か」
考え始めたらきりがない。
今が幸せなら、それでいい。
| 固定リンク | 0
「(001)小説No.001~050」カテゴリの記事
- [No.050-2]オレンジ色の明日へ(2009.06.17)
- [No.050-1]オレンジ色の明日へ(2009.06.16)
- [No.049-2]上手な恋の忘れ方(2009.06.15)
- [No.049-1]上手な恋の忘れ方(2009.06.14)
- [No.048-2]昨日のセンチメンタル(2009.06.12)
コメント