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[No.031-2]もしも、あの時

No.031-2

「気になるわね」

由紀子は何が言いたかったのだろう。
でも、その答えを意外に早く知ることになった。

「私ね、結婚するの」
ただ、由紀子の表情は冴えない。
「彼との結婚が、その“戻りたい瞬間”になるとしたら」
由紀子はあの時の胸の内を話してくれた。

「単なるマリッジブルーよ」
「そうかな」
「そうよ、自信を持って!」
でも、由紀子はまだ迷っている。

これから私が選ぶ道が正しいかなんて、私にも分からない。
それに・・・。
誤った道でもいい。
私も、彼も道を誤りながら、こうやって出逢った。
「私も彼のプロポーズを受け入れようかな」
今なら、なぜか素直になれる。

「もしも、あの時・・・か」

考え始めたらきりがない。
今が幸せなら、それでいい。

(No.031完)
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