[No.022-1]感性
No.022-1
「で、涼子の好きなタイプは?」
(やっぱり、きたか・・・)
話の流れから、私に振られるのは分かっていた。
「べ、べつに・・・タイプはないわよ」
「あ~!なにか、怪しいぃー!」
(やれやれ、めんどうな展開に・・・)
「好きになった人が、タ・イ・プって、優等生みたいなこと言わないよね?」
葵がこちらをジロリとにらむ。
「もぅー、この手の話題は逃げ場なしよね」
葵が言うようなことはない。
好きなタイプはあるけど、なかなか説明しづらいのも事実だ。
それでも、いざ説明を始めると、
「よくわかなんないよ、芸能人だと誰?」
と、いつしか顔のタイプに話が変わる。
特別、個性的な人が好きなわけじゃない。
けど、自分が想い描く“感性”は言葉にならない。
「ま、いいわ。今度のお花見で徹底追求するわよ」
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