[No.020-2]恋愛を重ねて
No.020-2
「ペンネーム、シリウス奈央さんからのお便りです」
私は、もう一度しゃべりだす前に、一呼吸置いた。
胸に、グッと来るものがある。
本気で人を好きになったと言う事実・・・これが伝わってくる。
「奈央さん・・・」
言葉に詰まる。
「奈央さん・・・聞いてほしい」
私は、自分の想いをマイクを通じて奈央さんに語りかけた。
「どう思う、ナオ?」
「そうね・・・どうかしら」
視線を窓の外にはずした。
行き交う車の光が涙で尾を引くように見える。
「俺は、終わった方?始まった方?」
「え・・・!」
「・・・それでも、人は恋愛を繰り返すものよ」
私は彼に応えた。
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