[No.019-2]天使の輪
No.019-2
「うぅーん、終わったー!」
眼鏡で仕事も悪くない。目の疲れが少ない。
「わぁ、雨降ってるよ。天気予報大当たり!」
恵子が窓の外を見ながら、大急ぎで帰り支度をしている。
(いけない。朝、急いでいたから・・・)
おまけに置き傘もしていない。
でも、外に出てみると、思った以上に雨は降っていない。
「仕方ないなぁ・・・これくらいなら」
とりあえず、歩き出すことにした。
雨が眼鏡に当たり、少しずつ目の前が曇り始めた。
(これならどっちもどっちね)
「少し、急ごう」
でも、そんな時に限って信号に引っ掛かる。
(ここ長いのに!)
赤の信号機をにらみつけるように見た。
「あれ・・・?」
曇った眼鏡越しに、信号機の赤い光がぼんやり見える。
そして、その赤い光を取り囲むように、光の輪が見える。
(幻想的ね)
「眼鏡もたまには・・・悪くないかも」
その光は赤から緑へ変わり、黄色に変わった。
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