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[No.018-2]無難なお土産

No.018-2

「これ、ちくわ・・・だよね?」
「そやで」

その夜、麻奈からメールが来た。
『いつもありがとう』
不思議なことにメールは、標準語の時と大阪弁の時がある。
(今回は標準語みたいだな)
『あのお土産は無難に選びましたが・・・』
(無難・・・って、思いっきり冒険やん!)
俺の方が大阪弁になる。
『次は好みのを探せたらと思います』
(次・・・って、最初が肝心やん!)
大阪弁が止まらない。

涙が出た。どんな想いでお土産を選んでくれたか分かる。
彼女の純粋さが胸に染みる。
「ただ、これ要冷蔵なんだよな」
真夏、しかもしばらく持ち歩いていたことが気になる。
それに、お土産らしく包装するでもない。
でも、そんなところが、彼女らしい。
一口食べてみた。
(大丈夫みたいだし、おいしいぞ!)

「でも、何で知ってたんだろう?」
ちくわが大好物だと言うことを。

(No.018完)
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