[No.015-2]せいじゅうろう-菜緒-
No.015-2
『セーラームーンに出てくるんだよ!』
知る人ぞ知る、レアなキャラクターだ。
(きっと、メールの向こうで、直哉は唖然としてるんだろうな・・・ふふふ)
それから、しばらくして、彼と別れることになった。
「あ、やってもうた・・・」
せいじゅうろうをぶら下げていたヒモが切れてしまった。
「どないしよう・・・」
このまま、捨ててしまおうか迷う。
リラックマに飽きたんじゃないけど、外すタイミングを失っていたのは確かだ。
(引き出しに入れておこう)
「せいじゅうろう、ごめんな」
直哉の提案で、お互いのせいじゅうろうを交換した。
目の前にいてはるせいじゅうろうは、直哉が買ったものだ。
「あ、せいじゅうろう・・・」
引越してから、そのままになっていた荷物から懐かしいものが出て来た。
色褪せているけど、表情は昔のままだ。
「わたしのせいじゅうろうは、元気なんかいな?」
目の前のせいじゅうろうに語りかけてみる。
「わて、こんなんやけど、向こうも幸せに暮らしてはるよ」
本当に、そう言っているかのように、せいじゅうろうは色褪せた顔でこちらを見ている。
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