[No.013-2]バナナ入れ
No.013-2
もう何本目だろうか、バナナをバナナ入れに、出し入れしている。
どうやら、どんなバナナでも入ることを証明しているようだ。
『これもいけるやん!』
最後に元気な一言で動画は終わった。
結構、馬鹿馬鹿しいことなのかもしれない。
一つ一つ丁寧に、バナナを扱うその姿は、どこか笑える。
でも、彼女らしい。
そんな所が、誰よりも魅力的に見える。
『えー、うぅん・・・ごほん・・・』
「なんだ?」
再び動画が流れ始めた・・・と言うより、動画がまだ続いていたようだ。
(画面が真っ暗になったので、てっきり終わったのかと・・・)
『えー、ホタルさん、見てはるかな~』
「えぇ!」
『バナナ入れやけど、ほら、他の色もあるねんよ』
そこには赤だの青だの、バナナ入れファミリーが、勢ぞろいしていた。
『ホタルさんには、そやねぇ・・・これやね』
彼女の純粋なユーモアのセンスに、笑いが止まらない。
| 固定リンク | 0
「(001)小説No.001~050」カテゴリの記事
- [No.050-2]オレンジ色の明日へ(2009.06.17)
- [No.050-1]オレンジ色の明日へ(2009.06.16)
- [No.049-2]上手な恋の忘れ方(2009.06.15)
- [No.049-1]上手な恋の忘れ方(2009.06.14)
- [No.048-2]昨日のセンチメンタル(2009.06.12)
コメント