« [No.007-2]せいじゅうろう | トップページ | [No.008-2]銀河鉄道の夜 »

[No.008-1]銀河鉄道の夜

No.008-1

「誕生日のプレゼントは何がいい?」
僕はストレートに聞いてみた。
欲しいものがあれば、それを贈るのに越したことはない。
(とは言うものの、ブランド品は勘弁してくれよ)
奈々子は多少考える素振りを見せたが、すでに心の中では決まっていたようだ。

「私ね、“銀河鉄道の夜”が欲しいな」
意味ありげな目付きでこちらを見ている。でも、それっきり、何も教えてくれなかった。

「“銀河鉄道の夜”って、一体なんだよ」
パソコンに問い掛けるかのように、“銀河鉄道の夜”で検索してみる。
大体、予想された検索結果が表示された。
どれも、奈々子の趣味や興味とは違う気がする。
(銀河・・・夜・・・だから、星?キラキラ・・・転じて、アクセサリー?)
「うーん、好きだったかなぁ・・・」
改めて、奈々子の普段の格好を思い出してみる。ヒカリもののイメージはまるでない。
それからも、ネット上で色々調べてみても、それらしいものは見つからなかった。
(素直に、本か写真集だろうか?)
「会社の女の子に聞いてみるか」
誕生日まで、あと2週間しかない。とにかく、早く結論を出さなければ。

(No.008-2へ続く)

| |

« [No.007-2]せいじゅうろう | トップページ | [No.008-2]銀河鉄道の夜 »

(001)小説No.001~050」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.008-1]銀河鉄道の夜:

« [No.007-2]せいじゅうろう | トップページ | [No.008-2]銀河鉄道の夜 »