[No.925-2]ロンサム・シーズンⅡ
No.925-2
俗に言う自然消滅だったと思う。
少しずつ距離が遠のいていった。
「そうなのかな?」
「何だよ・・・違うのか?」
別にケンカをしたわけでもない。
それに少なくとも僕は彼女のことを嫌いになっていない。
「私だってあなたのことを嫌いになったわけじゃない」
気付けば、1ヵ月が過ぎ、さらに半年が過ぎていった。
その内、これに慣れてしまった自分が居た。
「言い方がよくないけど・・・」
「何だか、肩の荷が下りたというか・・・」
言いようのない不思議な安堵感がそこにあった。
「そう・・・」
「・・・ごめん」
とは言え、結局別れた理由にはなっていない。
「言っとくけど、別によりを戻そうというわけじゃないのよ」
「・・・分かってるさ」
もちろん共通の友達もそれをも見越した計らいだ。
「でもね・・・」
そう言ったまま、しばらく考え込んでしまった。
「・・・何だよ、はっきり言っていいぞ」
「曲が始まってから53秒後が私の言いたかったこと!」
最近のコメント