[No.825-2]ペパーミントグリーン
No.825-2
「そんなに気になる?」
「だって・・・」
彼女がパラパラとアルバムをめくり始めた。
「ほら・・・他にも結構、写ってるのよ?」
「・・・ほんとうだ」
程度の差はあれど、結構、それが写っている。
さっきの一枚はその代表だ。
「男の子では珍しくない?」
寝る時も一緒だった。、
むしろ一緒じゃないと眠りにつけなかった記憶がある。
「けど・・・だんだんと減ってくるのよね」
小学校に入学してからは、それが全く写っていないと言う。
「確かに・・・」
興味の先が変わったのか、単に飽きたのか・・・。
それにもう、ぬいぐるみの歳でもないだろう。
「で、そのロバ君はどうなったの?」
「・・・ごめん、さすがに覚えてない」
気付けば無くなっていた。
いや、無くなったことさえ、意識したこともなかった。
「そうなんだ・・・でも、だからなんだ?」
「・・・なにがだよ?」
彼女が、ドヤ顔で質問してきた。
「ペパーミントグリーンが好きな原点はここにあったのね」
(No.825完)
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