カテゴリー「(016)小説No.376~400」の49件の記事

[No.400-2]あなたと繋がる場所

No.400-2

「見てもらえたの?」

本当なら先に“誰に?”と聞きたいのが本音だろう。

「・・・どうだろう・・・わからない」
「そもそも“見に来てね!”なんて言ってないから」
「それじゃ・・・」

確かに矛盾している。
見に来て欲しい人が居るのに、何も話してはいない。
友人が不思議そうな顔をするのも無理はないだろう。

「でもね、大丈夫なの」
「何か秘密がありそうね」

そこまで大袈裟ではないけど、それなりに秘密がある。

「私のブログのサブタイトル、覚えてる?」
「えっと・・・確か・・・」

“何気ない日常と人の心をテーマに、実話や実話からヒント・・・”

「もしかして、その人にしか分らない話があるとか?」
「・・・そうね、そういうことかな」

一般的な出来事に見えても、その人にしか分らない。

「特に、あるキーワードなんて・・・」

その人にしか理解できない・・・いや、笑えないだろう。

「そのキーワード、何となくわかるけどね」

いつかまたその人と繋がることができる。
そう信じて、今でも、そしてこれからもブログを続けるつもりだ。No400
(No.400完)
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[No.400-1]あなたと繋がる場所

No.400-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
この小説で丁度、400話目になる。
ブログを始めてから、約3年と8ヶ月ほど経過した時点でだ。

「すごいね!続けるだけでも大変なのに」
「逆にテーマを絞ったから良かったのかも」

今のブログを始める前に、短期間だけ公開したブログがあった。
そこではいくつかのテーマを取り上げた。

「テーマが多い方が、続けられると思ったんだ」

それこそ、テーマを決めなければ、テーマは無限にあることになる。
日々感じたこと、ニュースだって何だって、記事にすれば良い。

「でも、その方が続かないでしょ?」
「さすが経験者は語る・・・ね」

書くことはいくらでもあるのに、筆ならぬ“キーボード”が進まない。
だから、ほどなくして、そこは閉鎖した。

「なぜ、小説に絞ったの?」

理由はひとことでは言えない。
ただ、無性に書きたかったのは事実だった。

「当時、心情的に色々あってね」

心の叫びを文字にしたり、自分に対する応援歌であったり。
そして何よりも・・・。

「この小説を見て欲しい人が居たの」

当時、自分の心の中で、ある人の存在が大きくなっていた。

(No.400-2へ続く)

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[No.399-2]幼い恋

No.399-2

それもあるのだろうか・・・。
見た目はかなり童顔と言える。
ただ、行動も含めると、決して悪く言うつもりもないが幼く感じる。

「それにしても大きなかばん持ってるね」
「これ?色んなもんが入ってんねん!」

よほど二十歳過ぎの大学生とは思えないものが続々出てくる。

「それ・・・なに?」
これ?かえるのご隠居やん!」

かろうじて、かえるのぬいぐるみだと見てとれる。
しかも、手作り感が満載だ。

「まぁ、それはおいといて・・・」

そのネーミングからして危険なものを感じた。
だから受け流すことにした。

「・・・それはバナナ?」
違う、バナナ入れ

よく見ると、硬そうなバナナの形をしている。
だからこそ、バナナ入れなんだろうけど・・・。

「なんでそんなものが?」
「便利なんやで!ほら!」
「わぁ!」

本当にバナナが入っていた。
ただ、かなり熟していたのが気にはなったが。

彼女を好きになったのは、ひたすら純粋な幼さに惹かれたからだ。
それに、この僕も幼かったからだ。
No399
(No.399完)
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[No.399-1]幼い恋

No.399-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
改めて振り返り、ふと気付いたことがあった。

彼女とはコミュニティサイトを通じて知り合いになった。
住んでいる所もそう遠くはない。
それから、数ヵ月後に彼女と会うことになった。

「雰囲気違うやろ?」
「・・・あ、う、うん」

彼女の第一声だった。
既に電話やメールで自己紹介済みで、気心は知れている。
だから、とりわけ改まることはない。

「ちょっとダイエットしたねん」

確かに以前見た写メでは、ふっくら感はあった。
それでも、ダイエットが必要なほどではない。

「そ、そうなんだぁ」

単純にダイエットの効果を誉めるわけにはいかない。
以前のふっくら感を強調することになり兼ねないからだ。

「こんなうちでも、かまへん?」
「もちろんだよ!」

それこそ、逆なら大変だ。
それに、写真の修正だって今なら容易にできる。
プリクラに至っては、その“盛り”ようと言ったら・・・。

「それにな、うちほとんど化粧してへんやろ?」

女性には聞かせられない発言だ。
間違いなく敵を作る。
彼女の場合、してないというより、する必要もない。

(No.399-2へ続く)

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[No.398-2]きゅうりちん

No.398-2

しばらくしてから、響子(きょうこ)から写メが届いた。
時期的に多分・・・。

『トマト順調!』

メールのタイトルからすると、どうやら順調に育っているらしい。

(どれどれ・・・)

添付されていた写真には、たわわに実ったトマトが写っていた。

「すごい・・・」

それに、どれもこれも赤くて大きい。
去年目にしたあの写真に似ている。

『見た目と違うかもしれないけどね!』

ちょっと、いじわるでもあり、事実でもあるメールを返した。
去年からすれば、十分考えられるからだ。

『残念でしたぁ~もういくつか食べちゃったのよね!』

特に味の感想はなかった。
でも、満足していることを、うかがい知ることができる。

『ごめんねぇ、食べる前にメールしたかったんだけど』

収穫を報告する前に、食べることを優先してしまったらしい。

(響子らしいけどな)

『きゅうりちんも、スクスク育っているよ!』

(きゅうりちん・・・?)

一瞬、とまどったが、今年は“君”ではなく“ちん”で行くらしい。

(No.398完)
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[No.398-1]きゅうりちん

No.398-1       No.279「うちの子」

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
また今年もアレの季節になってきた。

「今年はトマトも始めたよ」
「そうなの?僕は去年・・・」

去年から響子(きょうこ)に誘われて、家庭菜園を始めた。
まずは無難な所できゅうりとトマトを選んだ。

「トマトは全然だめだったな~」
「きゅうりは何とか美味しく戴けたけど」

購入したトマトの苗には、説明書のような写真が添えられていた。
そこには、たわわに実ったトマトが写っていた。
それこそ、ぶどうのように・・・。

「確か、4つくらいしか実らなかったし、それに・・・」
「・・・4つとも熟さなかったし」

結局、青く小さいまま、それ以上育たなかったもの。
また、赤く大きく育ったものの・・・。

「そう言えば、“超すっぱい!”ってメールもらったね」

唯一、赤く大きく育ったトマトを口にした結果だった。

「そうくるとは思わなかったしな」

まさに、レモンを超えるすっぱさだったような気がした。
図々しいけど、完熟の甘さを期待して口に入れた。
だからこそ、その反動で余計にすっぱく感じたのかもしれない。

「だから、今年は“きゅうり君”だけにするよ」

“きゅうり君”とは響子が名付けた。
僕たちの中だけで通じる、きゅうりの呼び名だ。

(No.398-2へ続く)

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[No.397-2]宇宙の始まり

No.397-2

「そう、言われてみれば・・・」

何もない所から生まれる。
それは、突然変異だとかなんとかで片付けるとしよう。
でも、何もない所の周りに何かあったり・・・。

「・・・するわけないよね」
「そうね、何もない所の周りに何かあったら、何もないって言えない」

こんなことを真剣に悩むから、ますますモテない気がしてきた。

「わけわかんなくなってきた!」
「右に同じく・・・」

だったら考えなきゃいいのに!と自分に言い聞かせてみた。
けど、人知を超えた内容だ。
多少のロマンもある。

「宇宙の果てもそうよね」

宇宙に果てがあるかどうかより、宇宙は何に属しているのだろうか。
仮に何かに属しているのなら、その属しているものは何に属・・・。

「わぁ~!もう限界!」

考えれば考えるほど、頭が混乱する。

「今日はここまでにしない?」
「そうね・・・そうしましょう!」

いずれ、どこかの偉い学者がきっとこの謎を解いてくれるだろう。
そう願いたい。

「さて・・・と、今日も行きますか?」
「そうね!」

そろそろ私たちも属さないといけない。
少なくとも会社という小さな範囲に。
No397
(No.397完)
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[No.397-1]宇宙の始まり

No.397-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
宇宙は何もない所から、ある日突然生まれた。

「こんな話してる私たちって、やっぱりモテない?」
「そうね・・多分」

歴女、山ガール・・・。
多少、マニアックな部類の女子がもてはやされている。

それなら・・・宇宙女?スペースガールとか?」

後者ならまだ良い。

(宇宙女って・・・・)

「まぁ、それより、話を続けましょう!」

モテる、モテないは二の次だ。

宇宙は何もない所からある日、突然生まれた。
それはそれで良しとしよう。
それよりも気になるのは、生まれる前のことだ。

「何もないって前って・・・」

何もない前・・・どう考えれば良いのだろうか。
それに、何もない所は、どこに属していたのだろう。

「属する?」
「ほら、私たちなら・・・」

広く考えると日本に属し、地球に属している。
更に広く考えると・・・。

「太陽系、銀河系・・・に属していると言えるよね?」

そう、私たちは必ず何かに属して生きている。
属する範囲が見えているから現実味があるし、安心もできる。

「だから、“何もない”は何に属していたのかなって?」

(No.397-2へ続く)

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[No.396-2]洗濯日和

No.396-2

決して他人には聞かせられないような話だ。
正直、恥ずかしいからだ。
でも、反面話すと、この上なく楽しい。

「じゃ、お風呂の準備を・・・」

洗面台にぬるめのお湯を張った。
お風呂にしては大きすぎるが、露天風呂・・・ということにした。

「準備はこれでヨシ!・・・と」
「じゃ、着ぐるみを脱がさんとアカンな」

設定上、着ぐるみらしいから、それを脱ぐ必要がある。
まぁ、あくまでも設定上だが・・・。

「そうだな・・・確か背中にチャックがあったよな?」
「うん!うちが脱がす~」

実際には脱がせることはできない。
そのような作りにはなっていないからだ。
だから、あくまでも脱がす振りだけだ。

「あっー!」
「ど、どうした?火傷!?」

お湯はぬるめにしたはずだ。

「違うねん!チェックがあらへん!」

確かに以前はあったチャックがちぎれてなくなっていた。
・・・ということは・・・。

「お風呂に入られへん!」

だから、俺のせいじゅうろうは今も汚れたままだ。

(No.396完)
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[No.396-1]洗濯日和

No.396-1    [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
確か、3年くらいだろうか?
せいじゅうろうが俺のケータイに居座るようになってから・・・。

「プッ!居座るやて」
「そう笑うなよ・・・」

普通ならケータイにぶら下げてから・・・なんて表現だろう。
そう考えれば随分とリラックマワールドに染まっている。

「せやかて、設定上も居座ってるやもん!」
「確か・・・かおるさん、だったっけ?」

ある日、突然、家の中に居たらしい。

「そうやで!早い話、居候やな」

そんな設定を知っていたから、つい“居座る”という表現を使った。

「もう、3年にもなるんや!」

俺が3年だとすれば、菜緒(なお)もほぼ3年だ。
俺より、数週間、早いだけだろうから。

「・・・しみじみ、どないしたん?」
「随分と汚れたな・・・と思って」

元々、茶色だから汚れは目立ち難い。
でも、それ以外の部分は明らかに汚れているのがわかる。
買った時は、もっと色は鮮明だった。
実際、店で売られている同じタイプのものは色鮮やかだ。

「一度、洗おう・・・じゃなくて、お風呂、お風呂!」

うっかり、せいじゅうろうを“モノ”として扱おうとしてしまった。

「そや、そや!お風呂いれたらなアカン」

(No.396-2へ続く)

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