[No.375-2]出せないメール
No.375-2
「それで、どうしようと考えているの?」
彼と連絡が取れない以上、唯一可能性があるとすれば・・・。
「・・・もしかして、彼女に!?」
「うん、アプローチしてみようかと」
ただ、あれから1年ほど経過している。
だから、アドレスが変わっている可能性だって十分ある。
「そこまでしなくても・・・」
「でも、はっきりさせたいの」
彼女と暮らしているなら、それでもいい。
もし、彼女と別れていたとしても、改めて付き合う気は無い。
「どうやって彼女にアプローチする?万一・・・」
そう・・・もし彼女が今も彼と付き合っていたとする。
加えて、彼が二股していたことを知らなかったとする。
「そうね、もめる可能性は否定できない」
もちろん、そんなことは望んでいない。
それは、うそじゃない。
「それでもするの?」
「ごめんね、頑固者で」
「いいよ・・・今に始まったことじゃないし」
幸か不幸か、彼女にメールが届くことはなかった。
送信した瞬間に、宛先不明を知らせるメールが届いたからだ。
「もう・・・忘れることにする!」
「そうね・・・ところでメールには何て書いたの?」
「何も書かなかったよ」
同じ人を好きになった者同士だ・・・多分、感じてくれると信じた。
| 固定リンク | 0 | コメント (0) | トラックバック (0)
最近のコメント