[No.325-2]似てるけど似てない
No.325-2
「ふ~ん、まぁいいけど、ちゃんとオチがあるんだよね?」
「オチ?」
「今までの話にだよ」
いちいち、そんなことを考えているわけがない。
けど、少し意味深な会話でもあり、そう思われても仕方がない。
「も、もちろんだよ」
考えていることと、口に出たことが全く違う。
勢いに飲まれたのか、場の空気を読んだと言うべきか・・・。
「楽しみね」
(さてと・・・困ったな)
それこそ、どんなオチを付けようかと迷う。
(どうしよう・・・それなら、いっそのこと・・・)
「ほら、さっき話した“色々な人の間を縫うような”感じ・・・」
「それが?」
「その色々な人・・・僕のタイプなんだ」
「でも、なにか、こう・・・ピンと来なかったんだ」
誰もが、なにかひとつ足りない。
もうひと押しあれば、ピタリと当てはまるのだが・・・と。
「そんな時に“間を縫う人”と出逢ったんだ」
「それって、私のこと?」
誰もが誰かの間を縫うような感じで似ている。
でも、その微妙な違いを、人は敏感に感じ取っている。
好みのタイプとはそう言うものだ。
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