[No.200-2]ホタルノヒカリ
No.200-2
「スイッチ?」
「うん、この前は深呼吸しようと思ったら・・・」
息を吸い込もうとした瞬間、フライング気味に変な音が出たと言う。
「でも、スイッチとどんな関係があるの?」
「上手く説明できないけど・・・」
気持ちを切り替えようとしたタイミングで音が出る、と友人は言った。
偶然と言えばそれまでだが、確かにそんな気もする。
(なるほど・・・自分を切り替えるスイッチか・・・)
「スイッチって表現、いいよ、それ!」
タメ息にせよ、深呼吸や気合も分岐点を知らせてくれる合図なんだ。
そして変な音が、気持ちを切り替えてくれる。
「あんな音が出たら、笑うしかないもんね」
「悩み事も吹っ飛んじゃうくらいよ」
それから、私達はその変な音を、こう呼ぶようになった。
“自分スイッチ”と・・・。
それに、メールや合うたびの合言葉のようにもなった。
『最近、自分スイッチ入ってる?』
裏を返せば、何か気持ちを切り替えるような出来事を聞いている。
直接的ではない表現の方が、逆に素直に聞きやすい。
「仕事も順調よ!プロジェクトチームの一員に選らばれたくらい」
「多分、輝いてるからよ」
意識して発言したつもりはなかった。
けど、ふたりして気付いたことがあった。
「スイッチの先には電球が付いてるのかもね!」
(No.200完)
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