カテゴリー「(S01)せいじゅうろう」の111件の記事

[No.668-2]・・・発明記念館

No.668-2
recycle
「なに描こうか?」
「せいじゅうろうに決まってるやん!」

あえて聞く必要もなかったみたいだ。

「・・・ほいっ!」
「なんだよ?“ほいっ!”て・・・」

菜緒(なお)が、容器を俺に差し出した。

「もしかして、“描いて”ってこと!?」
「うちな、ヘタクソなんやもん・・・」

ここに入る前とは別人のような、おしとやかさだ。
ただ、絵心がないとは意外な事実を知った。

「へぇ~知らなかった」

普段、描く機会がないこともその理由のひとつだろう。

「まぁ、いいけど・・・」

嫌々な雰囲気を出しながらも、内心は違う。
そこそこ自信があるからだ。

「・・・これでどうかな?」
「めっちゃうまいやん!」

一般的な基準ではなく、あくまでも菜緒の評価ではあるが。

「曲面だし、下書きなしだから難しいよな」
「せやかて、ええ記念になったやん!」

そう・・・確かに記念になった。
ある間違いがあったことも含めて。
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(No.668完)
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[No.668-1]・・・発明記念館

No.668-1   [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
念願・・・ではないおにせよ、ようやく実現した。

「こっちやで!」

それもあってか、いつも以上に菜緒(なお)が元気だ。

(・・・こっちじゃないのかな?)

女性にしては珍しく、初めての場所でも臆することがない。
それに引き換え、俺は・・・。

「ちょっと待って!今、電波が悪いみたい」

スマホを片手にしても四苦八苦している。

「ほら、あれやん!」
「・・・ほんとだ・・・」

駅からさほど離れていないこともあり、あっさり見つけられた。
見つけたのは彼女だが・・・。

「もう人がいっぱいやん!」
「・・・意外にいぃ・・・ちょ、ちょっとぉぉ!」

言い終わる前に、猛烈な勢いで俺の腕を引っ張り始めた。

「わ、わかったから!」

言うなれば、ここではちょっとした工場体験ができる。
オリジナルのカップヌードルを作ることができるからだ。

「二階やて!」

案内板を見るや否や一目散で階段を駆け上がって行った。

(No.668-2へ続く)

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[No.637-2]食欲の秋

No.637-2
recycle
結局、あの後、せいじゅうろうは菜緒(なお)の家に置いてきた。

「・・・なにかあるよな」

いつものイタズラめいたことを考えているに違いない。

「それはそれで楽しみだけど」

来週の日曜日に、また菜緒の家に行くことになっている。
recycle
(せいじゅうろうはどこだろう・・・)

菜緒の家に着くなり、まずせいじゅうろうを探した。

(・・・見える範囲にはいないようだな)

いつもなら、何も言わなくても自ら登場してくる。
もちろん、そうさせているのは菜緒だが。

「・・・ところで、せいじゅうろうは?」
「あれ?今までそこにいてはったんやけどなぁ~」

言葉とは裏腹に少しニヤケた表情をしている。
恐らく、また何か企んでいるのだろう。

「ちょっと待ってな、探してくる!」

普通に考えれば、そんなことは在り得ない。
でも菜緒とならばそれが成立する。

「なんやぁ!そんなとこにおったんやぁ~」

その言葉と共にせいじゅうろうを連れて来た。

「食べ過ぎて、大きなってしもうてん!」
S637_2
(No.637完)
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[No.637-1]食欲の秋

No.637-1   [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------

日ごとに赤や黄に色づいて行くのが分かる。
季節はもう秋の装いだ。

「・・・よく食べるね?」
「そうなん?」

問い掛けたつもりが、逆に問い掛けられた。

「そうなん?・・・って、ケーキ5個は多くない?」

何個が相場なのかは知らない。
ただ、バイキングで出てくるような小さなものじゃない。
店頭で売られている一般的なサイズだ。

「これでも少ないくらいやで」

さすが女子と言うべきか・・・。
いわゆる“別腹”というものかもしれない。

「そや!せいじゅうろう貸して」
「ん?これか?」

カードケースに付けてあるせいじゅうろうを外して渡した。

「せいじゅうろうと一緒に食べるねん!」

そう言うと、せいじゅうろうをケーキに近付けた。
もちろん“食べるふり”だけだ。

「むしゃむしゃむしゃ・・・」
「・・・美味しい?」
「おいしいよぉ」

あくまでもせいじゅうろうが返事をしている。
俺の問い掛けも含めて、そのあたりは心得ている。

(No.637-2へ続く)

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[No.627-2]活躍の場

No.627-2

「なんか、たらへんなぁ・・・」
「・・・足りない?」

別に何かが外れているとか、商品の欠陥のことではないだろう。

「どういうこと?」
「キーホルダーとか付けたらええんちゃうん?」

どうやら、そっち系の“足りない”らしい。
大げさに言えば、きらびやかじゃない・・・と。

「そ、そうかな?」

持っているだけならそれでもいい。
けど、改札機にタッチさせなければならない。

「邪魔じゃないかな・・・」
「そんなことより、オシャレが優先やろ」

キーホルダーがお洒落かどうかは別にしても女の子らしい発想だ。

「そう言われてもなぁ・・・あっ、そうだ!」
「そや!」

菜緒(なお)も同じことを考えたようだ。

「スマホになってからは、活躍の場がなかったしな・・・」

多少、使い辛くてもお洒落じゃなくても、これが一番の答えだ。
S627_2
(No.627完)
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[No.627-1]活躍の場

No.627-1   [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「じゃじゃぁ~ん!」

登場のさせ方が昭和っぽいが気にしない。

「なにそれ?」
「なにってカードだよ、ICカード」

世の中からは、かなり遅れてのデビューだ。
振り返ればケータイを持つのも遅かった。

「それどこの?」
「北海道のだけど、こっちでも使えるよ」

折角なので帰省先でカードを作った。
全国区ではないが、幸いなことに互換性はある。

「・・・それに、ほら!」

ここぞとばかりにカード入れを見せ付けた。

「“せいじゅうろう”やん!」

ついでにカード入れも買った。
どうせ買うなら・・・と思い、これを選んだ。

「どうかな?」
「ええんちゃうん・・・」

ただ、言葉とは裏腹に表情が冴えない。
何か言いたげだ。

(No.627-2へ続く)

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[No.595-2]やっと出た!

No.595-2

それから、15分程度経過した頃だった。

「やっと出たよ!」
「えっ・・・そっち!?」

時間からすると相当苦労したみたいだ。

「・・・そっち!?って、なにが?」
「いや・・・ほら、とにかくおめでとう!」

何がめでたいのか分からないが・・・。

「まぁ、めでたいと言えばめでたいけどな」

なんとか収めることができたようだ。

「じゃあ、見せるで・・・ジャジャーン!」
「・・・」
「・・・えぇー!!!!冗談だろー!?」

俺の目の前に、手のひらサイズの黄色い物が差し出された。

「わぁ!わぁー!!・・・って、これ・・・」
「これで、3つ揃ったよ」

それはキイロイトリのミニカーだった。
S595
(No.595完)
読み
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[No.595-1]やっと出た!

No.595-1  [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
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「・・・聞いたほうがいい?」

菜緒(なお)の様子がおかしい。
さっきからソワソワしているように見えなくもない。

「なにを?」
「いや・・・さっきから落ち着かない様子だから」

(・・・レディに聞くべきじゃなかったかな?)

トイレに行きたいだけなのかもしれない。
けど、そんなことを遠慮する彼女でもないはずだが・・・。

「もしかして・・・」
「・・・うん」

聞いて正解だったようだ。

「じゃあ、ちょっと待ってて」

そういうと、そそくさと席を立った。
状況だけに、それを目で追おうなんて思わない。

(女の子っぽいところもあるんだな)

普段が普段だけに、意外と言えば意外だった。

(No.595-2へ続く)

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[No.585-2]冬だから

No.585-2

「せいじゅうろうは大変やろな・・・」

唐突に話題が変わった。
変わったというより、狙っていた可能性が高いが。

「なにが・・・さ?」
「寒いやろ、裸なんやし」

記憶では、リラックマは着ぐるみだ。
確か、“水玉模様”の中身が存在する。
そうなると、正確には裸ではない。

「・・・か、な?」

とは言うものの強く否定するわけにもいかない。
せいじゅうろうはリラックマであって、リラックマではない。

「でも、大丈夫なんやで!」

裸と言いながらも、大丈夫と言ったり・・・。
相変わらず話がややこしい。

「なんでさ?」
「ほら、見てみい」

そう言うと、カバンからせいじゅうろうを取り出した。

「冬だから毛が伸びたみたいやで」
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(No.585完)
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[No.585-1]冬だから

No.585-1  [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
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「毎日、寒い日が続くねぇ~」

菜緒(なお)が珍しく、気象ネタで話しかけてきた。

「・・・そ、そうだね」

普段、口にしないセリフだけに、よそよそしさを感じる。
きっと何か企んでいるにちがいない。

「こんな時には暖かい格好するのが一番やね」
「・・・の割には薄着じゃない!?」

一応、ダウンジャケットは羽織っている。
けど、中は初夏に似合いそうな服装だ。

「せやかて、建物の中は暑いやん」

確かに必要以上に暖房が効いているところも多い。
現に、俺も少し汗ばんでいる。

「そうなんだけど、人の目もあることだし・・・」

自分が望まなくとも、それ相当の格好は必要だ。
好奇の目で見られてしまうからだ。

「それにしても、やけに拘るね」
「寒いもんは寒いやろ?」

今回は、純粋にそれだけなんだろうか?

(No.585-2へ続く)

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