« [No.917-1]新しい生活 | トップページ | [No.918-1]飛び出し注意! »

[No.917-2]新しい生活

No.917-2

「まだ、引きずってるわけ?」
「・・・まぁ・・・な」

あの日、声を掛けられたこと。
そして、それに応えられなかったこと。

「大袈裟かもしれないけど」
「そんなこと、人生においてはよくあることじゃない?」
「な、なん・・・」

言い掛けた気付いた。
彼女にはそれを言う資格がある。

「そ、そうだよな」

彼女は数年前に母親を亡くした。
いわゆる突然死で、日常に突然幕が下りた。

「そうそう!」
「だから、もう気にしないの!」

新しい気持ちで、その家の前を通れそうだ。

「今度はどんな人が住むのかしら?」
「また、“おばあちゃん”だったりして・・・」
「おいおい・・・」

時々、ブラックジョークにも似たセリフを投げ付けてくる。

「冗談よ、冗談!」

とは言え、可能性はゼロではない。

「全く・・・勘弁してくれよ・・・」

誰かの新しい生活は、僕の心残りに終わりをもたらしてくれた。
S917
(No.917完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

|

« [No.917-1]新しい生活 | トップページ | [No.918-1]飛び出し注意! »

(037)小説No.901~925」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.917-1]新しい生活 | トップページ | [No.918-1]飛び出し注意! »