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2018年4月

[No.831-2]胸に残る卒業式

No.831-2

「そうね~」

あらためて、思い出す“フリ”をしてみた。
でも、もしかしたら何か出てくるかもしれない。

「・・・う~ん」
「で、あった?」

やっぱり何もない。
悲しくなるほど・・・。

「・・・ない・・・ね」
「普通はそうなんじゃない?」
「え、ええっー!?」

今までの会話は何だったのかと思えるほどの豹変ぶりだ。

「さっき、指折り数えてたじゃん!」
「そうだっけ?」

何事もなかったように、サラッと言い放った。

「何なのよ!?最後の最後まで!」
「お陰様で、意味不明な同僚のことを忘れずに済みそうよ!」

転職のため、この地を離れる。
だから、こんな同僚ともこれでお別れだ。

「ほんと!?」

同僚の嬉しそうな顔を見て、今、全てを悟った。
S831
(No.831完)
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[No.832-1]修繕の跡

No.832-1

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------

最近、断捨離という言葉をよく耳にするようになった。

「知ってる?」
「もちろんよ!私みたいな人が必要とする言葉ね」

それは、僕に対しても言えることだ。

「お互い、捨てられない性格みたいね?」
「・・・だな」

今日から彼女と住むことになった。
ようやく荷物をひも解いてみた結果がこれだ。

「それにしても・・・」

生活必需品以外の物が目に付く。
一人ならまだしも、同じような二人が揃えばなおさらだ。

「でも、全部必要なんだよ」

そう言い出したらきりがない。
それは僕も同じだからだ。

「・・・だよな」

物に囲まれる安心感と充実感。
そして、それぞれにまつわる想い出の数々・・・。

「これも、あれも・・・あれ?」
「・・・どうした?」

彼女の手が止まる。
その手には、ゼンマイ仕掛けのロボットが握られていた。

「これ、持っててくれたんだぁ?」
「・・・まぁな」

付き合い始めて、最初のクリスマスに彼女からもらった。
陶器製で、良く言えばアンティーク感が漂う。

(No.832-2へ続く)

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[No.832-2]修繕の跡

No.832-2

「懐かしいね!」
「まだ、動くの?」

黙ったまま背中に付いている小さなハンドルを回す。
ジリジリとゼンマイが巻かれる音がする。

「見てなよ」

音楽と共に、ロボットの首と両腕が交互に動く。

「そう!これこれ!」

何の曲かは分からない。
けど、妙に心が落ち着く。

「もう、捨てられたと思ってたよ・・・」

確かに、捨ててしまおうかと考えたことはある。
陶器製だけに、何度も腕が折れてしまったからだ。

「その度に、接着剤を持ち出しては・・・」

出来る限りの修繕をおこなった。

「ほんとだ・・・アチコチにその形跡が残ってるわね」
「でも、不思議だよな」

彼女から貰ったプレゼントが彼女の元へ戻ったみたいだ。

「あっ!そうそう・・・私もあるんだ!」

パンダのぬいぐるみだ。
最初のクリスマスに僕から彼女に贈ったものだ。

「これも、修繕の跡がすごいな」

捨てられないんじゃない。
残そうとする想いが強いだけだ。
S832
(No.832完)
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ホタル通信 No.356

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.325 似てるけど似てない
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:男性

小説上の女性が、“誰かに似ている”ことで生まれた小説は、他
にもいくつかあります。

小説のネタとして、比較的扱い易いということも理由のひとつです
が最大の理由は別のところにあります。
彼女が、多くの有名人に似ていればいるほど、テレビや雑誌など
で見掛ける機会も増え、それだけ彼女を思い出してしまう機会も
増えます。
顔が似れば声も似ることが多く、それをネタにした小説も発表して
いますが、ルーツをたどれば皆、同じ事実に行き着きます。想い
出に苦しめられているわけではありませんが、何となく呪縛から
逃れられない、そんな自分が居ます。

さて、小説では、似てる、似てないの話題は、僕から彼女に振った
ようになっていますが、実際は、彼女から振られました。
そもそも出会った時、「私、○○に似ている」と、いうところから関係
が始まったと言っても言い過ぎではありません。あらためて自分の
好みのタイプを自覚した瞬間でもありました。

後半は、ほぼ創作でこのような会話はありませんでした。ただ、頭
の中ではそう思っており、それを口にすることが出来ませんでした。
ホタル通信を書くこと自体が、ある意味“呪縛”かもしれませんね。
書くために小説を読み直し、思い出すのだから。
T356

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[No.833-1]夜桜

No.833-1

登場人物
virgo女性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「風邪でもひいた?」

さっきから、友人の声が鼻声だ。
それに、しゃべり方もおかしい。

「う、ううん・・・たいしたことなぁいわよ」
「それなら、いいんだけど・・・」

季節の変わり目だ、私も何となく体調がすぐれない。

「ところで・・・何これ?」
「何ってぇ、見てのとおりっよ?」

友人から花見に誘われた。
それも、昼間ではなく、夜にだ。

「“夜桜”って、聞いてたんだけど?」
「だぁかっら、夜じゃん!」

言ってることは間違ってはいない。

「・・・で、どうやって楽しめって?」

さすがに、イルミネーションまでは期待していなかった。
けど、さすがにスポットライトくらいは必要だ。

「だめぇ?」
「真っ暗じゃん!」

ひと気の少ない公園の一角だ。

「夜桜よりも、肝試しに近いわよ・・・」

夜桜と聞いて、期待を膨らませて来た。
その結果がこれだ。

(No.833-2へ続く)

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[No.833-2]夜桜

No.833-2

「わたしぃには、あざやかに咲くっ、桜がぁ見えるけどな・・・」

どう反応していいか困る。
ふざけてる?それとも真面目に言ってる?

「まぁ、イメージはできるけど」

見慣れた桜だ。
心の目で見れば友人の言葉どおりに見えなくもない。

「なにかあったでしょ?」

何もなく、こんな場所に誘われるとは思えない。

「彼にふられちゃったぁ~!」
「ここって・・・想い出の場所?」

それ以外、考えられない。

「当時は“昼間”だったぁ・・・けぇどね」

今の友人とって、昼間の桜は目に痛いのかもしれない。

「泣いてるよね?」

さっきからの鼻声とおかしなしゃべり方の理由が今、分かった。

「だめ?」
「あんたにしては珍しいと思って」

ついでに夜桜に誘われた理由も理解した。

「今夜はありがとう・・・」
「別にいいわよ、飲めれば・・・どこでも」

コンビニで買ったビールで乾杯した。
S833
(No.833完)
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[No.834-1]着替えるだけで

No.834-1

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「あれ、見ろよ」

突っ込まずにはいられない状況が目の前にある。

「どうかした?」
「まだ、似合ってねぇな~」

同僚がキョトンとした顔をしている。

「ほら、あの男子」

目立たなにように、こっそりと指をさす。
背恰好から、多分、中学1年生だろう。

「あぁ・・・あれね!」

ようやく意味が分かったようだ。

「確かに・・・ガバガバというか」

そう・・・学生服に着せられている・・・そんな感じだ。

「時期が時期だもんね」
「だろうな」

もちろん、自分自身もそうだった。
ただ、当時はそんなことを考えている余裕はなかった。

「不安の方が大きかったからな」
「・・・そうね」

その言葉は、今の自分にも当てはまる。

(No.834-2へ続く)

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[No.834-2]着替えるだけで

No.834-2

「私たちも、似合ってないんだろうね」
「だろうな」

着慣れたリクルートスーツのはずだ。
でも、色々な意味で、着こなせてはいない。

「これから、頑張らないとね!」

その言葉は、俺たちだけに向けられたものではないだろう。

「きっと大丈夫さ!」
「・・・そうね」

俺もそのつもりで言葉を発した。

「・・・唐突だけど、週末空いてる?」
「それって、デートのお誘い?」

色々と話をしている内に、もっと彼女のことを知りたくなった。

「・・・そうかもしれない」
「うふふ・・・正直ね!いいわよ、別に」

ちょっと、卑怯な気がしないでもない。
不安な者同士の仲間意識に付け込んだ感が残るからだ。

「・・・どうしたの?考え込んで」
「ん?いや、別に・・・じゃ、あとで、またLINEする」
recycle
「お待たせ~・・・ん?なにかへんかな?」
「い、いや・・・」

スーツ以外の同僚を初めて見た。
S834
(No.834完)
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ホタル通信 No.357

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.329 左の靴紐
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

事実と言えば事実なんですが、こんなことまで小説のネタにして
いることを考えれば、我ながら苦労しているんだ・・・と思います。

靴紐が解けてしまうこと、それに対して嫌な連想をしてしまうなど
薄めの事実が散りばめられています。
この小説を読み返して気付いたのですが、あからさまに、何かを
狙っています。それはラスト見て頂けると分かると思います・・・。
靴紐を“友情や絆”に見立てて、それが解けたり結ばれたりという
方向に持って行っています。
ありがちなストリーに加えて、内容もチープなため、少し恥ずかし
くなってきます。

本来なら、単に靴紐が解けただけで終わるのでしょうが、小説にも
書いた通り、何か良くないことが起きる予兆であると、考えていたこ
ともあって、この小説が生まれました。
実際、良くないことは起きなかったのですが、もしかしたら固く結び
直した効果が出たのかもしれませんね。

結局、この小説は当時の不安感をかなり遠まわしに表現したもの
です。その不安感の象徴が、靴紐だったわけです。
T357

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[No.835-1]とんでもなく良いこと

No.835-1

登場人物
virgo女性=牽引役  shadow男性=相手
-----------------------------
「ちょっと、聞いてくれる!?」

どうしても、話さずにはいられない。

「な、なんだよ」
「今朝ね・・・」

信号機がない道路を渡ろうとしていた時の話だ。

「えっ・・・事故ったの?!」
「・・・なら、ここに居る私は、幽霊とでも?」

冗談はさておき、話を進めよう。

「一台の車が向こうから来るのが見えて」

渡れなくもなかったが、安全のため立ち止まることにした。

「そしたら、その車も止まったんだよね」

全く予想していない出来事だった。

「でね、なんでかな?って思っていたら」

私の立っている場所が、横断歩道であることに気付いた。

「だから止まってくれたんだ」
「そうみたい」

今までそんな経験をしたことがないし、見掛けたことすらない。

「なかなか出来ないことよね?」
「そうだな」

彼も真剣な顔でうなづいている。

(No.835-2へ続く)

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[No.835-2]とんでもなく良いこと

No.835-2

「親切心よりも、やさしさを感じたわ」
「良い一日の始まりになったな!」

そう、本来ならそうなるはずだった。

「違うの?」
「・・・うん」

車が止まってくれた後に、問題があった。

「予想外の出来事に、ビックリしちゃって」

何もなかったかのように、そそくさと横断歩道を渡ってしまった。

「つまり、お礼をしなかった・・・と」

お辞儀するわけでもなく、声を出すわけでもなく・・・。

「車が通り過ぎた時に、ハッ!と気付いて」
「それが、すっごく心残りで・・・」

一変して、どんよりとした朝になってしまった。

「でも、そんな人は、見返りなんて考えてないさ」

彼がとんでもなく良いことを言った気がする。

「だから、あまり気にすることはないと思うな」

確かにそうかもしれない・・・彼の一言に救われた気分だ。

「そうね!私もそんな人になりたいわ」
「期待しているぞ!」

何故だか、ニヤリとした表情を浮かべた。

「ところで、もうすぐホワイトデーだよね?」
S835
(No.835完)
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[No.836-1]祈り

No.836-1

登場人物
virgo女性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「昨日はほんと、ビックリしたわぁ~」

話半分・・・いや、十分の一程度だと思った方が良い。

「で、今回はなに?」

毎度、どこからかネタを仕入れてくる。
例えるなら、バイヤーみたいなものだ。
ただし、腕は良くない。

「ほら、学校の北側に昔ながらの住宅街があるじゃん?」
「知ってるよ、私、そこを通って来てるから」

ちょっと、歴史を感じさせる街並みだ。

「なら話が早い!」

昨日の出来事を話し始めた。

「・・・確かに、あるよね」

祠(ほこら)と言えばいいのだろうか?
毎日、みずみずしい花が供えられている。

「そこにさぁ・・・」
「ちょ、ちょっと待ってよ・・・」

今日も部活があるので帰りは遅くなる。
かと言って、別の道を通ればかなり遠回りになってしまう。

「おばあさんが・・・」

今日は、遠回りして帰る必要がありそうだ。

(No.836-2へ続く)

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[No.836-2]祈り

No.836-2

「拝んでいたんだよね!」
「・・・」

ごく普通の話とは言わないが、かなり普通の話だ。

「からかったわけ!?」
「勝手に勘違いしただけしょ?」

そう言われると身も蓋もない。
ただ、そんな雰囲気をかもしていた友人にも否がある。

「でも、“ビックリした”って・・・」
「だって、薄暗い道端で拝んでたんだもん!」
「目が悪いから、最初は気付かなくて・・・」

私でもビックリしそうなシチュエーションだ。

「でもさぁ・・・通学路だったっけ?」
「ん?ち、ちがうわよ」

確か、私とは真逆の方向だったはずだ。

「もしかして・・・わざわざ、そこに行ったの?」
「まぁ・・・ね」

まさかこの時期に肝試しとは思えない。
それに話の流れからしても変だ。

「たまたまよ・・・たまたま!」
recycle
「・・・なるほどね」

翌日、その祠をマジマジと見て気付いた。
S836_2
(No.836完)
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ホタル通信 No.358

ホタル通信 No.358

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.333 みなみちゃん
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

かなり嘘っぽい作りですが、細かいところを除けば、ほぼ実話と
言っても過言ではありません。

唐突ですが、クイズです。似ているアイドルグループのひとりと
は誰のことでしょうか?
ヒントは至るところにあります、それもストレートに。一番のヒント
は後半の“総選挙”というワードです。次に、タイトルにもなって
いる“みなみちゃん”です。この二つが揃えば、当時であれば答
えは二人に絞られますよね。
目が、クリッとした感じが良く似ており、特に横顔が似ています。

最初は単に似てる話をしていたのですが、お互いノリノリになり
気付けば総選挙の話題にまで及ぶことになりました。アイドルに
なりきった会話はとても楽しかったことを今でも覚えています。
本当にそのアイドルが目の前に居る・・そんな感覚さえ覚えるほ
どでした。
正直に言えば、目がクリッとした顔立ちが好みなので、そのアイ
ドルもグループの中では一番のタイプです。つまり、顔のタイプ
だけで考えれば、その似ている人も必然的に好みだと言うことに
なります。

ただ、今回の話はそこについては触れずに、楽しかった時間だ
けを切り取り、小説にしました。
T358

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[No.837-1]3→1→2→1

No.837-1

登場人物
virgo女性=牽引役  shadow男性=相手
-----------------------------
「何かの暗号?」
「そうねぇ・・・暗号クイズとでも言えばいいかな?」

最近、感じたことを素直に暗号にしてみた。

「暗号のどこか“素直”なんだよ!?」
「そうかな?」

直接答えを伝えるより、この方が良いと思った。
その方が何十倍もそれを理解できるはずだ。

「とりあえず、もう一度見せてくれない?」
「なんだぁ~結構、食いついてるじゃん!」

彼はこんな感じのクイズが好きだ。
だからこそ、あえてそうしてみた。

「どうぞ!」

暗号を書いたメモを渡した。

「3→1→2、だよな?」
「そう、見ての通り」

いくら彼でも、これだけでは分からないだろう。

「ヒントは?」
「そうねぇ・・・私たちにすごく関係している・・・それに」

入学してから、今までのことを振り返って欲しい。

「まだ、2ヶ月くらいしか経過してないぞ?」

“振り返るほど何かあったわけじゃない”とでも言いたそうだ。

「でもその2ヶ月は結構、濃いものよ」

この間に、人間関係や自分の立ち位置が決まる。
入学してからの数ヵ月は、普通の数ヵ月じゃない。

「とりあえず振り返ってみるけど・・・」

彼が腕組みを始めた。

(No.837-2へ続く)

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[No.837-2]3→1→2→1

No.837-2

「数字だから、何らかの数なんだよな・・・」

ごく当たり前のことを言い始めた。
けど、その考えは悪くない。

「・・・3回、3枚、3・・・3人・・・ん!?」
「人の数か!?」

何やら気付いたようだ。
自分と私に、交互に指を向けた。

「2・・・人だよな」

さすが、その手のクイズに慣れている。
ここまでくれば時間の問題だろう。

「その前は、1人・・・あっ!?」

どうやら、謎が解けたようだ。

「分かった?」
「あぁ、多分、こうだろ?」

彼は入学当初、中学からの友人3人と群れていた。
でも、ほどなくして、1人になった。
ただ、一人ぼっちになったという意味ではない。

「最初は群れてたけど、そいつらと距離を置くようになった」
「そして、私と付き合い始めた・・・」

つまり、その人数の変化をクイズにした。

「激ムズだろ、この問題!?」
「でも、解けたじゃん!それとも自分が優秀とでも言いたいわけ?」
「勘弁してよ・・・」

こんな私でも包んでくれる・・・だから、すぐに好きになった。

「それなら、俺もクイズだすよ」
「えっ!?」

彼が2の後に、1を付け加えて、“3→1→2→1”にした。

「こうならないようにお互い頑張ろうぜ!」
S837
(No.837完)
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