« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »

2017年2月

[No.745-2]スクランブルエッグ

No.745-2

「とにかく今日はスクランブルエッグなの!!」

こうなったら、ゴリ押しするしかない。
わがままは、お手のものだ。

「・・・まぁ、そこまで言うなら」

彼が折れ始めた。

「だから、さぁ、食べて食べて!」

味は問題ないはず・・・というより失敗する方が難しい。
極端に言えば、卵をかき混ぜるだけでいい。

「ねぇ、美味しい?」
「あぁ・・・」

イマイチ表情が冴えない。
やはり卵焼きが捨て切れないようだ。

「明日は卵焼きにするからさぁ~」
「これからずっと、卵焼きでお願いするよ」

今は、“うん”というしかあるまい。

「うん、頑張ってみる」
「・・・頑張る?」
「ほ、ほら・・・もっと美味しくなるように“頑張る”って意味!」

つい口を滑らせてしまった。
頑張ることには変りはないものの・・・。

「無理して、今日みたいに寝坊するなよ」
S745
(No.745完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
 ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ホタル通信 No.312

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.373 笑顔に逢いたい
実話度:★★★★★(100%)
語り手:女性

フムフム・・・と読み進めて行くと、最後の最後で「エー!」みたい
な感じで終わります。

実話度が示す通り、ほぼ実話です。実際に、小説上の私(女性)
がした行為を忠実に再現してみました。所々、意味不明とも思え
る行動をしていますが、現実の行動を小説風にしたので、こんな
感じになりました。

さて、小説上、時間の情報は入れていませんが、仕事終わりの
夜の話です。エレベータに向かう途中に、泣き声が聞こえてきた
のですが、それが何ともか細く、誰かに呼びかけているようであ
り、只ならぬ雰囲気を感じました。
この後の展開は小説に書いた通りであり、遠くに逃げない子猫、
親猫と私のコミカルな攻防戦・・・が続きます。コミカルと言っても
親猫にちょっとイジワルしたような感じですね。

冒頭に記載した最後の最後で「エー!」みたいな感じで終わるこ
とについては、何の伏線もなく、卑怯と言えば卑怯な結末です。
自分自身もどうして、少しダークな話を持ち込んだのか、ハッキリ
とは覚えていません。
でも、この猫の関係が、どうしてもある人と重なってしまったため
に入れました。つまり、まだ“見ぬ母”については、現実の作者で
はなく、他人のエピソ-ドです。

猫がからむ話はこの他にも多数あります。積極的にからむつもり
はないのですが、なぜだか巻き込まれてしまいます。でもそれを
楽しんでいる自分が居ます。
T312

web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[No.746-1]100円スリッパ

No.746-1

登場人物
virgo女性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「気を遣わないでいいのに・・・」
「えっ!?なにが・・・」

友人の家に遊びにきた。

「なにがって、これよ」

足元を指差す。

「・・・スリッパ?」
「うん」

貸してくれたのが、もの凄い高級品とは言わない。

「これがなに?」

けど、少なくとも友人の履いている物よりは格段に良い。

「落差がありすぎない?」
「そう?」

なかなか会話が進まない。

「まぁ、別にいいならいいけど」

どこをどう見ても安物だとわかる
その薄さと、何ともやる気のない作りがそれを物語っている。

「気を遣っているわけじゃなくて」
「好きで履いてるの」

(No.746-2へ続く)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[No.746-2]100円スリッパ

No.746-2

私ならプライベートとは言え、履きたくない。
色もデザインも、はっきり言ってダサイ。

「・・・こんな趣味だった?」
「ううん、全然」

その通りだと思う。
彼女の“ピンク色好き”は随分前から知っていた。
実際、今もピンク色で目が痛い状況だ。

「それならどうして?」

スリッパなら他にもたくさんあった。
それこそピンク色の物も。

「ほら、先月、ハワイにいったじゃん」

気ままな一人旅だと聞いていた。

「その時にね、ホテルの部屋で履いてたんだ」

その時、100均で買ったスリッパを持っていったらしい。
旅行なら懸命な選択だ。

「捨てて帰ってくるつもりだったんだけど・・・」
「なんだか、捨てられなくて」

ホテルとは言え“ハワイの地”には変わりない。
それを踏みしめたスリッパに、愛着を感じたらしい。

「う~ん、理解しがたい話ね」

私も同じ経験をすることを、この時は知らなかった。
S746
(No.746完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
 ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »