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[No.327-1]京阪電車

No.327-1

登場人物
virgo=牽引役(女性)
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(これくらいの時間かな・・・)

記憶では仕事場に10時ごろ着くと聞いた。
それを逆算すると、今頃の時間になるだろう
ただ、一般的に言われる通勤時間帯はとっくに過ぎている。

(この辺りに立ってるのかな?)

一度、ホームの端から端まで目を移す。
階段が2つ、エスカレータが1つ、それらが改札口階から続いている。
横着な彼のことだ・・・きっと、エスカレータを選択するはずだ。

それにしても・・・高架になっているせいだろうか?
ホームから特徴的な景色が見えてはこない。
むしろ殺風景と言ったほうが、この状況では似合っている。
それでも彼が見ていたであろう景色を、同じ目線で感じたい。

『2番乗り場に淀屋橋・・・』

電車の到着を告げるアナウンスが流れ始めた。
無性に緊張感を感じる。
理由は・・・分かっている。
これから始まる小旅行に少なからず後ろめたさを感じているからだ。

「でも・・・行かなくちゃ!」

すでに電車はホームに進入中だ。
多少、大きな声を出しても気付かれはしない。
でも、限りなく小さな声で、自分に言い聞かせた。

足早に電車へ乗り込む。
朝のラッシュが過ぎていることもあり、座席は迷うほど空いている。

「そこにしない?」

(あっ!・・・いやだぁ)

今までのクセで、居もしない彼に話しかけてしまった。

(No.327-2へ続く)

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