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[No.98-1]小さな巨人

No.98-1

(こんなに、小さかったっけ?)

目の前の鳥居に、少し複雑な心境だ。

小さい頃、住んでいた街に立ち寄る機会があった。
そのついでに、ある場所へと足を伸ばした。

何の変哲もない普通の神社・・。

有名ではないけど、厳かな雰囲気は今も変わらない。
そこには、大きな鳥居があるはずだった。

(手を伸ばせば届きそうね・・・)

幼い頃、鳥居の上、目掛けて石を投げていた。
その石が上に乗っかれば、願い事がひとつ叶う・・・。
そんな言い伝えがあった。

鳥居は、空に通じるほど、高かった。
投げても投げても、乗っからない。
それどころか、その高さにさえ達しなかった。
結局、願い事をすることなく、この地を後にした。

私に立ちふさがる大きな存在・・・。

幼いながらも、何やら言い知れぬ存在を感じた。
場所の雰囲気がより一層それを感じさせる。

それなのに・・・。

大人になった私には、その鳥居は小さすぎた。

(No.98-2へ続く)

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