« [No.69-2]カウンターパンチ | トップページ | [No.70-2]素顔のままで »

[No.70-1]素顔のままで

No.70-1

「うわぁ!何だよそれ」

おそらく・・・化粧の途中と思う知美が視野に飛び込んできた。

「そんなに、おどろかへんでええやん」
「ごめん、びっくりしたから」

知美は普段、化粧はしていない。
本人は特に意識していないようだけど、素顔で十分イケている。
と言うより、素顔の方がいい。
これを口に出して、意識させるのも悪い。
同性から羨ましがられるだけで済まないこともある。

「化粧なんて珍しいな」
「これから仕事で人と逢うねん」
「それにしても、顔・・・真っ白だね」
(下地なのかな?)
「友達が、これがええねんってゆうから」
「せやけど、うち、化粧品に興味あらへんし」

それにしても、笑える。
真っ白な顔よりも、その顔のままウロウロしていることに・・・だ。
鏡を何度も覗き込んだり、何とも落ち着かない。

「あかん、全然似合わへん!」

「無理しなくてもいいんじゃない?」
「せやかて、撮影の時は化粧させられるんやもん」

(考えてみれば確かにそうだよなぁ・・・)

素顔は僕と逢う時だけのようだ。

(No.70-2へ続く)

|

« [No.69-2]カウンターパンチ | トップページ | [No.70-2]素顔のままで »

(003)小説No.51~75」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104673/45863994

この記事へのトラックバック一覧です: [No.70-1]素顔のままで :

« [No.69-2]カウンターパンチ | トップページ | [No.70-2]素顔のままで »