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[No.48-1]昨日のセンチメンタル

No.48-1

遠くを見る。

感傷的な気持ちになったら、私は近くの高台から遠くを見る。
雑然とした街並みが好き。
夜景のロマンティック感は私には見合わない。

落ち込むほど、気持ちは沈んでいない。
平然としていられるほど、気持ちに余裕もない。
そんな時が、一番心が揺れる。

「じゃ、またな」
「うん」

この言葉を最後に、夏の恋は終わった。
その時は、泣かなかった・・・泣けなかった。
次も逢えるような余韻を残したまま、今でも気持ちは去年の夏のままだ。

薄着の季節になり、夏を肌で感じる。

日差しがより、一層、まぶしい。
夏の熱気が心に伝わる。

「今頃、泣いてどうするのよ」

自分で自分に言い聞かせる。
高台に吹く風は、どこかやさしく、夏の涙を誘う。

(No.48-2へ続く)

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