« [No.23-1]カエルのご隠居 | トップページ | [No.24-1]一人だけの入学式 »

[No.23-2]カエルのご隠居

No.23-2

いじめ、両親の度重なる離婚と虐待・・・。
他にも彼女が話す内容は、どれも衝撃的な内容だったことを覚えている。
初めて話を聞いた時、同情する自分に嫌悪感を覚えた。
(彼女はそんなつもりで話したんじゃない)
だから、彼女と向き合おうと思った。

「逃げずに、私を見てほしい」

菜緒の瞳の奥から、そんな叫び声が聞こえた気がした。

「ほんま、暑い日やね~。カエルさんは大丈夫かいな?」
『カエルだけに、暑いの苦手やし』
カエルはそう言って、テーブルの陰に隠れた。

ある日、偶然にカエルの名前を知ることになった。
「ご隠居さんは、うちで寝てるねん」
(あのカエルは“ご隠居”と言う名前だったんだ)
手のひらサイズの畳の上に、ご隠居が布団をかぶって寝ている写メが送られてきた。
かたわらには“当時のカエル”にプレゼントした、おもちゃのお菓子が置いてある。

そこには、幸せがいっぱい詰まっていた。

(No.23完)

読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。

ブログランキングへ ブログランキングへ web拍手 by FC2

|

« [No.23-1]カエルのご隠居 | トップページ | [No.24-1]一人だけの入学式 »

(001)小説No.01~25」カテゴリの記事

(S01)せいじゅうろう」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.23-2]カエルのご隠居:

« [No.23-1]カエルのご隠居 | トップページ | [No.24-1]一人だけの入学式 »