カテゴリー「(037)小説No.901~925」の26件の記事

[No.913-2]胸に聞いてみた

No.913-2

「ただ、国語とは言っても・・・」

別に言う必要はないが、なぜか聞いて欲しくなった。

「授業で詩・・・今で言えば、ポエムってやつが・・・」

小学生離れした内容を書いていた。

「そうだと思った!」
「なんで分かるんだよ!?」

話をあわせているようで、逆に腹立たしい気分だ。
決して悪気はないのだろうが・・・。

「それは・・・な、い、しょ!」
「そりゃないだろ!?」

そこが一番知りたい部分だ。

「自分の胸に聞いてみたら?」

散々聞かれたあげく、急に突き放された気分だ。

「なんだよそれ・・・」
「いいから!いいから!」

強引に僕の右手を掴んだ。

「ちょ、ちょっと・・・」

抵抗する間もなく、右手を胸に押し付ける。
ただ、僕の胸ではない。

「えっ!?」

激しく波打つ、心臓の鼓動が手に伝わる。
S913
(No.913完)
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[No.913-1]胸に聞いてみた

No.913-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・僕の?」

流れで、好きだった授業の話になった。

「まぁ、国語かな?」
「へぇ~やっぱり!」

(・・・やっぱり?)

「なんだよ、やっぱりって?」

彼女は、仲の良い同僚のひとりだ。
とは言え、それにまつわる話をした記憶はない。

「だってさぁ・・・」
「メールとかの文章がしっかりしてるもん!」

日常の連絡手段はLINEだ。
でも、時より、内容によってはメールを使うことがある。

「そ、そうかな・・・」

国語は国語でも、ある一部分の授業が好きだったに過ぎない。

「そうよ、すっ・・・ごい!読みやすい」

確かに文章を書くことは好きだった。
それが、良い結果をもたらしている可能性はある。

「とりあえず、ありがとう」

振り返ると、僕は“芸術系”を得意としているようだ。
そんな想い出が数多くある。

(No.913-2へ続く)

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[No.912-2]散策の悲劇

No.912-2

「多分、この辺りだと思うけど・・・」

交差点から少し進んだ所にあったはずだ。
でも、その場所には大きなマンションが立っていた。

「無くなった・・・よね?」
「・・・そうみたい」

目線の先には、昔から地元では有名な建物がある。
さすがに、そこは超えていなかったと記憶している。

「気付かなかったの?」
「だって、もう通り道じゃないし・・・」

高校を卒業したと同時に、この道も通らなくなったようだ。

「・・・そうよね、ごめん」
「でも、その存在自体も忘れてた、あなたが言うまで」

不思議と帰省した時も、そこを訪れることはなかった。

「私もそう・・・」

店のご主人には何かと世話になっていたはずなのに・・・。

「薄情ね、私たちって・・・」

気楽な散策に、暗雲が立ち込めた雰囲気だ。
 
「そうなの!?」

後になって、違う場所で営業していることを知った。
もちろん、お盆休みには行ってみるつもりだ。
S912
(No.912完)
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[No.912-1]散策の悲劇

No.912-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「随分、変わったわね・・・」

それこそ十数年ぶりに、この辺りを訪れた。

「そう?地元に居ると逆に気付かないかもね」

超大型のゴールデンウィークだ。
こんな機会は二度とないかもしれない。

「それにしても初めてじゃない?」
「ゴールデンウィークに帰ってきたのって」

確かに友人の言うとおりだ。
今まで盆と正月しか帰省したことがない。

「だって、10日間もあるのよ!?」

例年なら、その半分もない。
だから、いつもは眼中になかった。

「だから、散策でもしようかな・・・って」

いつもは友人と飲んで終わる。
けど、今回は違う。

「この辺りに、お好み屋さん・・・在ったよね?」
「そう言えば、そうね・・・」

友人とよく通った。

「あなたが地元を離れて以来、行ってないね」
「・・・通り過ぎちゃったのかな?」

歩いてきた道を少し引き返してみた。

(No.912-2へ続く)

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[No.911-2]素直な気持ち

No.911-2

「私って、極端な性格だから・・・」

張り詰めていた糸が、“プツン”と切れたようだった。
そうなると、ブログを書くことが面倒になった。

「ただ、節目を迎えたし、それに・・・」
「1000話に手が届くようになったので」

どうせやめるなら、そこに到達してからにしたい。

「あなたらしいね」
「それって、仕事でもないのに」

そう・・・やめてしまっても誰も困らない。
そもそも、そんなに見られてもいないブログだ。

「そんな中でも、陰ながら応援してくれる読者もいてさ」

休載中も、多くの“拍手”を頂いた。

「それが、復活のエネルギーになったの」

そうこうしている内に、システムも安定し始めた。
そして、復活する日をアナウンスした。

「ほんと、あなたらしいよ!」
「・・・褒め言葉として受けとるよ」

でも、正直に言えば、休載前のモチベーションにまだ達していない。

「それでも、これからも書き続けるわよ!」
S911
(No.911完)
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[No.911-1]素直な気持ち

No.911-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・で、結局続けることにしたんだ?」
「まぁ・・・ね」

最近、ブログを始めて11年目を迎えた。
そんな時に限って、屋台骨を揺るがす事態が起きた。

「正直、このまま、やめちゃおうかな・・・とも思った」

ブログを書くシステムが全面的にリニューアルされた。
操作に不慣れという以前に、不具合が数多くあった。

「だから、“書く”ことが逆にストレスになって」

今まで出来ていたことができない。
また、思ったような仕上がりにもならない。

「でも、そんなこと往々にしてあるよね」
「ほら、うちの会社のシステムだって」

確かに、何事もなく、リニューアルされることは少ない。
リニューアル当日は、社内で怒涛が飛び交うことも多い。

「だから、しばらく休むことにしたの」

ある程度過ぎれば、改善もされるだろう・・・。
そんな期待を胸に、しばらく休載することにした。

「繰り返しになるけど・・・」
「よく復活したね?」

これに関しては自分でも不思議に思っている。

(No.911-2へ続く)

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[No.910-2]声援

No.910-2

更に競技場へ近づく。
声援もますます大きく聞こえてくる。

「走る人も応援する人も皆、気持ちは一緒!」
「・・・何よ、すごく良いこと言うじゃない?」

なにか引っ掛かるが、まぁ、いいだろう。

「体がムズムズしてきたわ」

じっとしていられない・・・そんな感覚だ。
何かが呼び起こされようとしている。

「青春に逆戻り?」
「・・・かもしれない!」

若者の声援に触発されて、少し若返った気分だ。
それに背中を押されているようでもある。

「けど、そんな気にもなるよね」
「うん・・・声援パワーって無視できないもん!」

あの頃も、随分と声援に助けられた。

「ちょっと、寄ってく?」
「・・・そうね」

昔を思い出して、大声で声援を送るのも悪くない。
走る若者に対してだけではない。
今の私自身に対しても言えることだ。
S910
(No.910完)
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[No.910-1]声援

No.910-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・何かやってるみたいね?」
「そうみたい・・・」

競技場に近づいてきたせいか、何やら声援が聞こえる。
明らかに若々しい声だ。

「ほら、あれ見て!」
「陸上競技か!」

それらしい格好をした数名がランニングをしている。
陸上競技に間違いない。

「確か・・・」
「そうよ、高校だけだったけどね」

私も陸上部だったから見れば分かる。

「時々、大会があって」

県内の学校が集まってきた。

「その時の声援って、格別でさぁ・・・」

大会は、言わば全員が敵になる。
だからこそ、声援だけが頼りと言っても過言ではない。

「それ、分かるわぁ~」
「私もバスケ部だったから」

多くの声援の中でも、不思議と仲間の声を聞き分けられた。

(No.910-2へ続く)

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[No.909-2]ずるいカラス

No.909-2

「待ってん!」

追い払おうとした僕を制止する。

「何にもせえへんよ」
「・・・なんで分かるんだよ?」

でも、確かに荒々しい雰囲気は感じられない。

「なんか、うちとおんなじ匂いがするわ」
「なんだよ!?同じ匂いって・・・」

それには答えず、じっとカラスを見つめ返していた。

「・・・独り言や」
「いや、十分聞こえてるでしょ!?」

そうこう話しているうちに、カラスが飛び去って行った。

「何だか、変わったカラスだったよな」
「・・・だから、うちとおなじやねん」

もう、これ以上は突っ込むことはしなかった。
ようやく言葉の意味が分かりかけてきたからだ。

「良くも悪くも、ズル賢く生きたらええねん!」

急に結論めいたことを話し出した。
同じ匂いとは、このことだったのだろうか・・・。
だとしても、彼女への想いはこれからも変わらない。
S909
(No.909完)
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[No.909-1]ずるいカラス

No.909-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「君を見てるよね?」
「うち?」

一匹のカラスがこちらを見ている。
何となく、彼女の方を見ている気がしてならない。

「ほら、体の向きだって」

若干ではあるが、彼女の方に体が向いている。

「せやね、そう言われたら・・・」

彼女が何かを食べているわけでもない。
だから、凝視される筋合いもない。

「何か・・・目立つものでも付けてる?」
「・・・アクセサリーとか」

そう言いながら、それがないことは知っている。
今日だけではなく、普段もアクセサリーとは無縁だからだ。

「いいや、つけてへんで」
「・・・だよな」

そうこうしている内に、若干、距離を縮めてきた。

「おいおい・・・」

時より巷では、カラスの凶暴な振る舞いが問題になる。
早めに追い払った方が良いかもしれない。

(No.909-2へ続く)

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