カテゴリー「(032)小説No.776~800」の26件の記事

[No.788-2]こころのゴミ

No.788-2

「けど・・・ね」

場所が場所だけに、そう簡単には行動に移せない。

「・・・だな」
「最近は“急変”することもあるし」

天候次第で、急に濁流が押し寄せてくることもある。
小川と言えども注意が必要だ。

「それに、それなりの準備も必要だし」

陸上でゴミ拾いするのとはわけが違う。
それに人目もある。

「そこまでして、したくもないけど・・・」

ただ、この道を通るたびに、気になってしょうがない。

「案外、それが小魚とかの隠れ家になってるかもよ?」

確かにそうかもしれない。
素直に喜べないものの、その可能性は十分にある。

「そうね・・・そんな気がしてきた」

幸いにも、それ以外は綺麗な小川だ。
私が、いらぬ荒さがしをしているみたいだった。

「まるで僕と君を表しているような話だね」
「えっ・・・どういうこと!?」
S788
(No.788完)
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[No.788-1]こころのゴミ

No.788-1

登場人物
virgo女性=牽引役  shadow男性=相手
-----------------------------
それを見るとムズムズしてくる。

(とは言うものの・・・)

陸上とは違い、そう簡単には行動に移せない。
recycle
「・・・ゴミ?」

この手の話には多少、理解を示してくれる。

「そう、結構あるんだよね」

一見、綺麗に見えても結構ゴミが落ちている。

「ほら、見てよ」

なんらかのビンや缶が沈んでいるのが見える。

「よく気付くよな?」

確かによく見なければ気付かないレベルだろう。
ビンも缶も、周りと“同化”しているからだ。

「その気になればアチコチにあるわよ」

結構、色んなものが沈んでいる。
もはや、それが何であったのか判別つかない物を含めて。

「・・・そうみたいだな」

環境問題に対して“意識高い系”と言うわけではない。
単に、ゴミが気になるだけだ。

(No.788-2へ続く)

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[No.787-2]時代を越えて

No.787-2

「今じゃ、音楽は単なるデータだもんな」

厳密に言えば、CDもMDもデジタルデータに過ぎない。
けど、少なくとも“形”はある。

「そうね、物体として存在してるもんね」

今はネット配信で音楽が買えるし、聞くこともできる。
形は・・・無いに等しい。

「それはそれで寂しいけどな」

スマホや専用のプレーヤーにそれこそ何千曲も入る。
けど、曲の量と満足感は必ずしも一致はしない。

「何もかも便利すぎて、逆につまらないよ」

昔は、レコードやCDからテープやMDにダビングしていた。
面倒な作業ではない・・・むしろ、楽しかったくらいだ。

「この作業を含めて、“音楽”だと思う」

別に今の便利さを否定するつもりはない。
ただ、昔に比べて何かが変わった。

「けど・・・変わらないものもあるよな」
「・・・そうね」

単なるデータになっても彼女の歌声は変わらない。
これからもずっと。
S787
(No.787完)
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[No.787-1]時代を越えて

No.787-1

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「最初はカセットテープで聞いたな」
「音源はCDだったけど」

とあるアーティストの話題になった。

「私もそう」
「で、次はMD」

いつしか、時代はカセットテープからMDに変わった。

「MDか・・・懐かしいね!」
「音質も良くなったよな・・・好みはあるかもしれないけど」

それに、ディスクが小さいお陰で、持ち運びも楽になった。
カセットテープはケースも含めると案外かさばる。

「数枚持ち歩いても邪魔にならなかったよね」

操作性も格段に飛躍した。
特に選曲の煩わしさから解放された。

「カセットテープなら、そうはいかない」

この頃から音楽が手軽に楽しめるようになったのかもしれない。
ヘッドフォンにも個性が出始めた時期でもあった。

「でも・・・すごい時代になったよね」

今の時代、ヘッドフォンをしている人がやたら多い。
何を聞いているかは別にしても。

(No.787-2へ続く)

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[No.786-2]露先

No.786-2

「・・・これで・・・よし」

一旦、傘を閉じて、生地のキャップ部分を骨に差し込んだ。

「ね、みっともなかったでしょ?」
「そう責めるなよ」

けど、確かに言うとおりだ。
骨が一本飛び出しているだけでも、その雰囲気たるもの・・・。

「まったく・・・ここに来るまで気付かないんだから」
「仕方ないだろ?」

残念ながら、後ろに目は付いていない。

「とにかく助かったよ」
「今度から気を付けてね!」

傘をさすときは念のため確認することにしよう。
繰り返しになるが、その雰囲気たるもの・・・。

「でも・・・さぁ」
「・・・何よ?」

これも繰り返しになるが、後ろに目は付いていない。

「後ろを見てみなよ」
「後ろ?」

僕と同じ行動をした。

「じゃなくて・・・傘そのものの後ろだよ」
S786
(No.786完)
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[No.786-1]露先

No.786-1

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「ちょっと・・・・みっともないわよ」
「えっ!?何が?」

彼女が何やら指摘してきた。

「何がじゃないわよ・・・後ろを見て」
「後ろ?」

おもむろに後ろを振り向いた。
・・・特になにもない。

「あのね・・・コントじゃないんだから!」
「その後ろのことじゃないの!」

“じゃぁ、どの後ろだよ”と突っ込みたくもなる。

「ちゃんと伝えろよ」
「もぉ!・・・傘そのものの後ろを見て」

素直に傘そのものの後ろをみた。

「あっ・・・」
「どう?理解できた?」

傘の骨が一本飛び出ている。

「壊れちゃってる?」
「生地が外れているだけかもしれないよ」

大急ぎで、飛び出している箇所を確認した。
幸いにも、外れているだけのようだった。

(No.786-2へ続く)

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[No.785-2]例えようがない

No.785-2

「何だろうね?」

意識して、周囲の匂いをかいでみた。
でも、やはり匂いはしない。

「その家・・・だよね?」
「あぁ、たぶん」

お世辞にも新しくないけど、それなりの歴史を感じる。
建物の歴史と言うより、人の歴史だ。

「おばあちゃんの家に似てる」

怪しまれない程度に、家の奥を覗く。
昼間だと言うのに、薄暗く独特の“うっそう感”が漂っている。

「確かにそんな感じね」

ただ、それが逆に自然体なんだ。
開けた窓から入る風との組み合わせは、最高の昼寝環境だった。

「わかるわかる!」
「だろ?」

今更ながら、このタイミングで思い出した。

「・・・話が関係のない方向に進んじゃったな」
「いいんじゃない?」

残念ながら、もう家はない。
住む人も居なくなっため処分した・・・そう母親から聞いた。

「残念ね・・・」
「でも、こうして、おばあちゃんの家の匂いをかい・・・」

唐突に答えが見つかった。
S785
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[No.785-1]例えようがない

No.785-1

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
心地よい風に乗り、ある匂いが僕を通り抜けて行った。

「どうしたの・・・急に立ち止まったりして?」
「・・・うん」

僕の左手に一軒の小さな家がある。
正しくは一軒屋ではなく、長屋風の建物の中の一軒だ。
風はそこから吹いてきた。

「見覚え・・・じゃなくて・・・ええっと・・・」

この場合、なんと表現すれば良いのだろうか。

「素直に“匂い覚え”とでも言えばいいのかな?」

何の匂いか思い出せない。
けど、確かに嗅いだことがある匂いだ。

「今も匂いがしてる?」

そう言うと、鼻をクンクンし始めた。

「いいや、さっきの一瞬だけ」

家の奥から吹いてきたと思う。
玄関だけでなく、どこかの窓も開けているからだろう。

「・・・一瞬だけ風に乗ってきた」

でも、強烈に記憶に残っている。
一言で言えば、とても懐かしい匂いだ。

「何かの食べ物?」
「う~ん・・・食べ物のような・・・じゃないような」

何か複雑な匂いだった。
食べ物の匂いも、若干含まれているようには感じた。

(No.785-2へ続く)

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[No.784-2]相手は誰?

No.784-2

「まだ、そんなこと言ってるの!?」
「その程度のケガで済んだから良かったものの・・・」

確かに不幸中の幸いかもしれない。
一歩間違えば大きなケガを負っていただろう。

「・・・で、その時、相手は?」
「俺を無視して、先に進んで行ったよ」

転倒している俺には目もくれずに。

「それはそれで憎らしいやつね!」
「だろ!?」

ただ、そいつとは二度と会えない。
だから、リベンジは叶わない。

「そうなの?」
「・・・残念ね」

リベンジをさせたいのか、させたくないのか・・・。
女心は理解できない。

「もし、会ったら次は負けるなよ!」
「結局、応援してくれるのかよ!?」

何ともおかしな結末になった。

「ところで、相手はどんなやつ?」
「どんな・・・って、普通の赤トンボだったよ」
S784
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[No.784-1]相手は誰?

No.784-1

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
-----------------------------
「・・・なんだよ」
「俺と張り合う気か?」

信号が青に変わると同時に、ペダルを思い切り踏み込んだ。
recycle
「えぇ~!?」
「バカじゃないの?」

そう言うのも当然だろう。

「気付くのが遅れたんだよ」

気付いた時は、電柱が目の前だった。
正面衝突は免れたものの、自転車ごと転倒してしまった。

「なんで、張り合ったのさ?」
「“なんで”って言われても・・・」

理由は自分でも分からない。
信号待ちしていた俺に、張り合うような態度を見せたからだ。

「あのね・・・」
「だから男子って、子供なんだから!」

と、言われても男子とはそういう生き物だ。

「まぁ、大したケガじゃないようだけど・・・」
「体だけは頑丈だからな!」

それにしても悔しい・・・。
結果的に、僕は負けてしまった。

(No.784-2へ続く)

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