カテゴリー「(031)小説No.751~775」の7件の記事

[No.754-1]同じパターン

No.754-1

登場人物
shadow男性=牽引役  virgo女性=相手
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「・・・ん?」

テレビで、あるシーンを見かけた

「これって・・・」

僕としては、彼女が見ていないことを祈るだけだった。
recycle
季節の変わり目は、新番組の季節でもある。
それだけにおのずと、テレビの話題になりやすい。

「昨日さぁ・・・」

まさかとは思うけど一応、警戒しておいた方がよい。

「なに?」
「・・・なにか変・・・緊張してる?」

ごく自然に応えたつもりだった。

「き、緊張するわけないだろ?」
「噛んでるじゃん・・・」

とにかく、自然にやりすごそう。

「急に“なにか変”って言われると焦るだろ?」
「・・・まぁ、それもそうね」

一旦、落ち着きそうだ。

「ところで、昨日、あの番組見た?」

もしかして、あの番組のことだろうか・・・。

「何の番組?」

単なる連続ドラマの新番組であって欲しい。

(No.754-2へ続く)

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[No.753-2]遅れた理由

No.753-2

「・・・で、本当のところはどうなの?」
「本当のところ?」

同僚が、ドヤ顔で聞いてきた。

「体調不良って、うそでしょ?」

それなりの演技はしたつもりだった。
オーバーアクションにならない程度に。

「・・・気付いてたの?」
「最初からね」

ばれるほど、まだそんなに会話はしていないはずだ。
さすが友人と言うべきかどうか・・・。

「実は・・・」

会社にくる途中、自転車同士の衝突事故があった。

「振り返ったら、女の子がふたり倒れてて」

幸い、大きなケガはなかった。
見た感じ、ふたりとも社会人1年生のようだった。

「でも、ひとり足から血が出てて・・・」

転倒した時に、足を切ったようだった。

「それなら、正直に言えばいいのに」

遅れる理由としては、逆に嘘っぽく聞こえると思った。
だから、ありきたりな理由にした。

「“血が出なかった”方は、もう来てるわよ」
753
(No.753完)
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[No.753-1]遅れた理由

No.753-1

登場人物
virgo女性=牽引役  virgo女性=相手
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「わぁぁ!・・・・ビックリしたぁー!」

あまりの音の大きさに、思わず声が出てしまった。
recycle
「遅刻なんて、珍しいじゃない・・・」
「電車でも遅れたの?」

返答に困る。
本当のことを言うのは、何だか照れくさいからだ。

「ちょっと、体調がすぐれなくて・・・」

上司には、始業前に遅れる旨、連絡していた。
だから、何も問題はない。

「・・・風邪?」
「まぁ、そんなものかな・・・」

これ以上の追求は、できればして欲しくない。

「いつも遅くまで飲んでいるせいよ」

“遅くなるのは誰のせい?”と突っ込みたくなる気持ちを抑えた。

「そ、そうかもしれないね」
「それとも、なに?彼にうつされた?」

彼氏が居ないのを知ってて聞いてくる。
同僚のいつものパターンだ。

「はいはい・・・妄想の彼にうつされたの!」

これに関しては、あながち嘘じゃない。
妄想の彼はいる。

(No.753-2へ続く)

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[No.752-2]変なおじさん

No.752-2

「十分、変でしょ!?」

それに、ほぼ毎日見掛ける。
けど、読んでいる場所はマチマチだ。

「読んでるだけ?」
「う、うん・・・」

友人が何を言いたいことはわかる。

「それなら別にいいじゃん」
「周りに迷惑を掛けているわけじゃないし」

そう言われると返す言葉がない。
確かに、私がそう思っているだけに過ぎない。

「そうかもね・・・」

よく考えれば、他にも大勢いる。
柔道着を着て、何やら不思議な動きをしている人とか・・・。

「えっ・・・その人の方がよっぽど変よ!?」
「そうなの!?」

私にはごく普通に見えた。

「どんな感覚してるのよ・・・まったく」
「まぁ、そのお陰で少々のことでは驚かないけどね」

(・・・そのお陰?)

その意味が理解できるまでに、数分を要した。
S752
(No.752完)
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[No.752-1]変なおじさん

No.752-1

登場人物
virgo女性=牽引役  virgo女性=相手
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通学路に、変わったおじさんがいる。

「どんな人?」

風貌が変わっているわけではない。
その点については、逆に普通以上に普通に見える。

「じゃぁ、なにが?」
「行動というか・・・」

“している”ことが変わっている。

「本を読んでるんだよね」
「・・・多分、週刊誌だと思う」

本の大きさや目に入る誌面からの推測にはなるが。

「普通よね?」
「週刊誌だけど、外で本を読むこと自体は・・・」

そう・・・読むこと自体は別に変じゃない。

「それがね」

座って読んでいるわけではなく、立って読んでいる。
それも仁王立ちと言わんばかりに。

「普通、ベンチとかで座って読むじゃない?」
「・・・まぁ、変と言えば変だけど・・・」

友人の反応がイマイチだ。
いつもなら、真っ先に食い付いてくる話題のはずだ。

(No.752-2へ続く)

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[No.751-2]普段はスマホ

No.751-2

「普段は、スマホを見てるから」

あれが美味しかったとか、また行きたいね・・・とか話が弾む。

「だから、景色なんて見ない」

うっかり、電車の中だということを忘れてしまうこともある。
その結果・・・。

「どうせニヤけてるんでしょ?」
「・・・そうみたい」

別の友人に指摘されて、始めて気付いた。
でも、恋人同士ってそんなものだと思っている。

「だけど、昨日は景色が気になって・・・」

時より、大きく揺れる景色は、私の心、そのものだった。

「自分で言ってるじゃん!」
「・・・あはは、そうみたい」

さっき、“揺れ動く乙女心”と言われたことを思い出した。

「まぁ、そんな時はスマホなんか見ないほうがいいよ」

友人、曰く、来ない連絡に下を向く日々が続くという。

「ありがとう・・・だから、直接会ってくれたんだね」
S751a_2
(No.751完)
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[No.751-1]普段はスマホ

No.751-1

登場人物
virgo女性=牽引役  virgo女性=相手
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向かいの窓に、私の後ろの風景が映っている。
普段なら気にならないのに、今日はやけに気になる。
recycle
「まさしく“揺れ動く乙女心”って感じだね」

やっぱり、話すべきじゃなかった。
相談する相手を間違えた。

「そんな軽いノリじゃないんですけど・・・」

昨日突然、彼から別れ話を切り出された。
けど、予兆がなかったわけでもない。

「どこにでもある話じゃん」
「そ、そうだけど・・・」

確かに、どこにでもある話だ。
私だけが特別じゃない。

「わたしもさぁ、つい最近、彼と別れたよ!」

なのに、この元気っぷりには驚かされる。

「羨ましいよ、その性格・・・」
「そうかな?」

昨日の帰り道、いつもの電車に乗った。
スマホを握りしめたまま、呆然と向かいの窓を見ていた。

(No.751-2へ続く)

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